亡くなった父は海がとても好きでした。 私の実家は山に囲まれた地域にあるのですが、父が生まれた家は海の近くにありました。 両親は漁師をしながら生計を立てていたので、海に対して小さなころからなじみがあったのでしょう。 「俺が死んだらこの大好きな海に遺骨をまいてほしい」と生前からよく口にしていました。 亡くなる直前にもそのようなことを口にしていたので、家族も合意の上で、東京で海洋散骨ができるところをネット上情報を収集し探しました。 いろいろな、海洋散骨のプランがあったのですが、私たちは自分たちだけで父を見送りたいとの思いがあり、料金が少し高かったのですが「個人散骨」を選びました。 自分たちだけで船をチャーターするので、ゆっくりと父とのお別れをすることができました。 ドリンクなども付いているので、一緒に行った父の親戚たちと父の幼き頃の思い出話をしながらクルージングすることもできました。 進行する司会者もいるので、私たち遺族にも負担が少なかったです。 当日は、雲一つない晴天で、海も父のことを歓迎しているような感じでした。 私自身も、父の海洋散骨を終えて「自分の時にも遺骨は海にまいてもらおう」と思えるような素敵な別れ方でした。